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Cute Movies

イレブン・ミニッツ

第73回ベネチア映画祭の生涯功労金獅子賞 ポーランドの鬼才、イエジー・スコリモフスキ監督最新作

8月20日(土) ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開!<br><br>(c)2015 SKOPIA FILM, ELEMENT PICTURES, HBO, ORANGE POLSKA S.A., TVP S.A., TUMULT
8月20日(土) ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開!

(c)2015 SKOPIA FILM, ELEMENT PICTURES, HBO, ORANGE POLSKA S.A., TVP S.A., TUMULT
イレブン・ミニッツ

英題:11 MINUTES
監督・製作・脚本:イエジー・スコリモフスキ
出演:リチャード・ドーマー、ヴォイチェフ・メツファルドフスキ、パウリナ・ハプコ
2015年/カラー/ポーランド、アイルランド/81分/デジタル
提供:ポニーキャニオン、マーメイドフィルム
配給:コピアポア・フィルム

イントロダクション

11分後のあなたは何をしていますか?

17年ぶりの監督復帰作『アンナと過ごした4 日間』(08)が東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、続く『エッセンシャル・キリング』(10)でベネチア国際映画祭審査員特別賞、主演男優賞(ヴィンセント・ギャロ)W受賞の栄誉に輝いたイエジー・スコリモフスキ。華麗なる復活を果たし一躍映画界の最前線におどりでた彼の最新作『イレブン・ミニッツ』が、前作から5 年の歳月を経て完成しました。

デビュー作から半世紀にわたり映画界で活躍してきたスコリモフスキが監督・脚本・製作を手がけた本作は、リアルタイム・サスペンスの傑作! 午後5時に始まり5 時11 分に終わるこの物語は、大都会に暮らすいわくありげで見ず知らずの人々に起こる11分間のドラマをモザイク状に構成した、監督初の群像劇。限定された抽象的空間(『エッセンシャル・キリング』)や特殊な時間設定のあるドラマ(『身分証明書』『アンナと過ごした4 日間』)など、スコリモフスキ好みの映画スタイルによって描かれた運命のいたずらが、衝撃的なクライマックスによって、見る者の精神を覚醒させます。

観客誰もが想像し得ない前代未聞、驚愕のラスト・シーン起承転結のあるストーリー、詳細な心理描写、背景説明などを一切排し、使い古されたサスペンスという定番ジャンルの様式を、掟破りでラディカルなチャレンジ精神で突破した本作。監視カメラ、Web カメラ、カメラ付き携帯、CGといった様々なメディア技術を巧みに使い、ローアングル撮影、大胆な俯瞰シーン、スローモーション等、多種多様な質感と視点を駆使した魅惑の映像と、バイクの疾走音やジェット旅客機の爆音、救急車のサイレン等、都市空間ならではのシンフォニックなノイズが緻密な設計のもとに融合し、悲哀感ただよう人生の光と影を見事に表現しています。人々のありふれた日常が11分後に突如変貌してしまうという奇妙な物語を、テロや天災に見舞われる不条理な現代社会の比喩として描いたこの映画は、個人の生や死がサイバー・スペースやクラウドといった環境に取り込まれていく未来を予見していると言えるでしょう。78歳の巨匠が映画表現の新たな地平を切り拓く『イレブン・ミニッツ』。

11分後のあなたは何をしていますか?

記者の見どころ

ポーランドの巨匠・スコリモフスキ監督の最新作『イレブン・ミニッツ』。5時から5時11分までの11分間に起こることを81分に凝縮し、群像劇型のサスペンスに仕上げた。

日本にも「一寸先は闇」ということわざがあるように、人生は先の展開が読めない。そんな人生の不条理さをあざ笑うかのように、10数名の11分間を群像劇として映し出した。少しずつ登場人物の関係が交わっていくという群像劇の特性を逆手に取り、結末の読めないストーリーを展開させる!!

また本作の特徴として、背景描写が極端に少ないことがあげられるだろう。あえて丁寧な描写を減らしているのか、見ている側としては次に何が起こるのかわからない不安を感じる。冒頭のシーンから相当な不穏さを出し続け、映されているもの以上にその行間から不穏さが垣間見えるという、日本映画的な魅力のある緻密な作品になっている。

観賞後には、ポスターや公式サイトの「モザイク状に散りばめられた」という表現が妙にちょうど良く感じる。11分間の先に起こる、奇跡とも言えるような結末とは。

Text by EISUKE

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