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「船場川にホタルをもう一度」10年ごしの地域活動

~城西地区連合自治会会長・岩成孝さん~

2016/06/01

姫路城で蛍が見たい!

今から400年ほど前、姫路城で千姫様が過ごした頃はたくさんの蛍が飛び交っていたのでしょうか。夜の小道を「いとうつくし」なんて想いを馳せながら歩いた次の日には詩を読む創作意欲が湧いたのではないでしょうか。

さて、今回ご紹介する姫路での取り組みの舞台である「千姫の小径(せんひめのこみち)」は姫路城の西を流れる船場川と中堀との間にある遊歩道です。現在、その周辺でホタルを甦らせようと奮闘する人たちがいます。城西地区連合自治会の会長である岩成孝さんのお話を伺い、その取り組みの一端をご紹介します。

始まりは市民の手から

川の環境を変えていく。土手作りに10年。

昭和30年、土がむき出しだった船場川の土手がコンクリートに変わりました。土のままだと土砂崩れ等水害が発生した際に危険なので、当然の対策ではあります。しかし、コンクリートに変わった途端、川から蛍が消えてしまいました。

川の中は県の管理下、土手は市の管理下。
何かをしようとするのにも様々な機関に申請が必要になり、そこでも沢山の時間と労力を費やしました。
清掃活動・浄化活動は学校行事等にも多く取り込み、地域の父兄・児童も進んでこの活動に参加されたんだとか。

続いて蛍の棲家作り。過去にセキショウ、シャガ、コグマザサ、ツワブキ、これらを川沿いに植樹しましたが、水害によって3度も流されるアクシデントに見舞われました。現在はこの水害を教訓に、りゅうのひげ(別名ジャノヒゲ)を土手沿いに植え、ネット状を被せて対策しています。

そして、あじさいの植樹。街頭があると蛍のほのかな灯りは見えなくなってしまいます。かといって街頭を消灯することは防犯上不可能です。そこで、岩成さんたちは千姫小径に昨年あじさいの植樹を行いました。現在はまだつぼみの状態ですが、5年もすれば街頭の光を優しく遮ってくれることでしょう。

苦戦もありつつ

ホタルを取るか、鯉をとるか

蛍のエサとなるカワニナ(巻貝の一種)を放っても、鯉が食べてしまい大きな損失を出してしまいました。しかし、鯉を完全に駆除してしまっては生体のバランスが崩れてしまう。生態系のバランスを損なわずにどうやって蛍と既存生物を共存させるかはこの活動をする上でついて回る課題です。

石を設置し鯉と蛍の住み分けを図るも、積み上げ過ぎると水害に対応出来ない。鋭利な石だとゴミが引っかかってしまう…。去年こう対策したからと言って今年も同じ方法が通用するとは限らない、毎年状況が変化する対自然との調整は現在でも模索されることばかりだとか。

資金の面でも

平成18年「県民交流ひろば事業資金」として1,500万円が県から自治体に補助されました。自治会運営に必要な経費を使用した後、残った資金で本格的に始まったのがこの「蛍を呼び戻そう」活動。県からの大きな補助は継続しませんが、対生き物の活動の為、1年これっきりで止めることは出来ません。

決して安くはない費用、助成金はもちろんですが継続していく為に自治体からの援助で成り立っています。

こうした活動の成果は公民館で毎年行う催しで精力的に地域住民の方に還元。昨年は2日通して約300人の方が城の西公民館に来場され、子供たち中心に蛍を肌で感じてもらう楽しいイベントを行いました。

10年後のいま

300匹の蛍の放流

長年活動してきた今では、こうした活動が他のひとたちの目に止まるようになりました。昨年、妹背川に足場を設置し、対岸約100メートルに300匹の蛍を放ちました。
「こんな街中で蛍がみられるなんて…!」
昔を思い出して懐かしむ人、生まれて初めて観る蛍に興奮する子供たち。観に来られた方々から驚きと感動の歓声が上がりました。

この船場川の蛍の最終目標は“自生”であり、今年は自生した蛍が数匹飛んでいるのを確認出来ました。
いずれは放流ではなく、全て自生の蛍を皆さんに愛でていただこうと奮闘しています。

もっと知って欲しい

数年かけて水質を整えても、その上流で家庭洗剤や車両を洗浄した洗剤が流れてしまうと苦労が水の泡に。地域住民だけの努力では成しえることは出来ません。
環境保護はこの地球上に住む我々一人ひとりが真摯に向き合って、行動を起こさなければ成り立たないのです。

「環境破壊することは容易いが、それを再興するのには計り知れない時間と労力がかかるんです」と、岩成さんは仰います。自分の住む地域の環境問題について一度周囲と話し合ってみられてはいかがでしょう?

姫路をホタルの見れる街に ~2016年のイベントスケジュール~

「蛍鑑賞会で俳句を詠もう!」

公民館中庭の人工池(ビオトープ)で蛍を鑑賞出来る。
例年子供俳句大会を実施、俳句の先生を招待し優秀作品を決定。
優勝者には後日開催されるお月見会で景品が授与される。
日程 2016年6月4日(土)・5日(日)
場所 〒670-0026 兵庫県姫路市岡町33
時間 19時半~21時
入場料 無料
駐車場 要問合せ
問い合わせ先 城の西公民館 079-295-8961

「千姫小径で蛍を見よう!」

船場川に蛍(購入したもの)を放って鑑賞していただく。
川の中に足場を組み、川の水量を少なくして靴のまま川上に入れる仕様に。
足場は当日のみの設置です。普段降りられない川面に立ち、対岸の蛍を鑑賞できるのは当日のみ。昨年も多くの親子連れの方々が美しいホタルの姿に見入っていました
日程 2016年6月10日(金)
場所 船場川妹背橋
時間 19時半~21時
入場料 無料
駐車場 徒歩5分のところにあり。
※台数に限りがあります。
大手門駐車場(有料・3時間まで普通車600円)に停めることをお勧めします。
問い合わせ先 城の西公民館 079-295-8961


プロフィール

岩成孝さん
全国自治会連合会相談役
兵庫県連合自治会顧問
姫路市連合自治会相談役
城西地区連合自治会長 

城西地区の組織作りに力を入れられ、福祉部・コミュニティ部・総務部の骨組みを設立。
地域住民皆で共により良い地域を作る為の具体的な施策を多数行い、現在も積極的に指揮を取られています。
岩成会長の人柄で集まり、結束する住民の方々は皆互いを思いやり、素敵な笑顔をされていた。

多くの経験と実績を生かして前姫路市連合自治会会長業務の傍ら、蛍・自然保護の地域活動に力を入れられている。

編集後記
取材時、自治会会長岩成さん宅でこれまでの活動の貴重な写真・資料を多数拝見させていただきました。
最初にお話を伺った城の西公民館~岩成さん宅~妹背川まで案内いただいた際、たくさんの地域住民の方とお逢いし、すれ違いました。そのどなたも明るく会釈をされ、下校途中の子供たちは元気に挨拶をし、地域の安定と交流の深さを肌で感じました。
近隣人間関係の疎遠が叫ばれる昨今、この様に地域の方々が同じ方向を向いて活動されることによって良いコミュニティが創られることを再確認させていただきました。と同時に、自分も見習わなければならないと頭が下がる思いでした。
大きな何かを成しえるのにはそれ相応の時間と労力がいることでしょう。でも、そのどれも最初のアクションは些細な一歩です。
今回の取材を通して、自分に出来ることをもう一度考え行って行きたいと強く思いました。
(西谷真弓)

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